2.11
歯当り変化
図2.4の修整諸元入力でクラウニングを与えた時の歯当り跡を図2.14に示します.
赤色は歯面接触を示し, 青色は50μmの隙間があります. コントロールフォームのピニオン回転角で歯当たり跡が移動します. 図2.14aと図2.14bにスパイラルベベルとゼロールの歯当たり跡を示します.
図2.14 歯当り(ストレートベベル)
図2.14a 歯当り(スパイラル)
図2.14b 歯当り(ゼロール)
2.12
キックアウト
かみ合い始めからかみ合い終わりまでのギヤの円周方向の遊び量(キックアウト)をシミュレーションします.
軸の取り付け誤差が0のキックアウトは図2.15に示すように0.0009度ですが, 図2.10の軸の水平取り付け誤差と垂直取り付け誤差を共に5μmとしたときのキックアウトは図1.16に示すように0.0106度となりグラフが大きく変化することが解ります.
図2.15 キックアウト1 図2.16
キックアウト2
2.13
歯形データ出力
歯形データは, 図2.17に示すように, 組み図, 3D歯形図, 3Dかみ合い図を出力することができます.
図2.18に, 3D歯形のCAD作図例を示します. 図2.19のFEM解析データは,
左右の歯面と歯先部分に分けてデータを出力します.
図2.17 歯形データファイル出力
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図2.18
ピニオン歯形(IGES) 図2.19 かみ合い歯形(IGES)
2.14
かさ歯車強度計算
(1)トルク単位の設定(N・m,
N・cm, kgf・m, kgf・cm, gf・cm) 図2.20に強度計算初期設定(トルク単位)画面
を示します.
図2.20 強度初期設定(トルク単位)
(2)かさ歯車の強度計算式
金属歯車はJGMA
403-01,404-01に基いて計算しま
す. 樹脂歯車の曲げ強さは, Lewisの式を基本と
し, 歯面強さはヘルツの応力に基づいて計算し
ます.
(3)
材料
金属材料の設定画面を図2.21に示します. 樹脂材料の応力値は, 温度, 寿命を考慮した樹脂材料の実験値を使用しています. 適応材料は, M90,KT20,GH25,
です. これ以外の材料は, M90を基本として計算することができます.
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図2.21 材料設定
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(4)材料の選択
図2.21の[参照]ボタンをクリ
ックすると図2.20の材料選択画面を表示します. 表の中から硬度を参考にして材料の許容応力値を決定します. また, 材料記号, 材料の許容応力値(σFlim,
σHlim)および硬度は, 任意に入力することができます.
図2.22 材料選択(参照画面)
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