[付録:C]
C2. 試験歯車 C3. 成形1回目の結果 1回目の成形は,図C.2の両歯面かみ合い試験結果に示すように3ヶ所のピークが顕著に現れ全かみ合い誤差は73μmとなっている. |
C4. 成形2回目の準備 成形1回目の結果(図3.1)を基準として全かみ合い誤差が低減するように金型の歯形を変更する.まず最初,図C.2のグラフを読み取り図C.3の真円度修整フォームの「修整量」に数値を入力する.このとき分割数は最大360まで設定可能であるが今回は24とした.また,真円度修整率は,逆に与えた修整量が全て戻るものと想定して100%とし,逆歯すじ修整は設定しないものとした. 図C.3の真円度修整値を基準として図C.4の真円度修整[逆]とすることにより成形後の歯車が真円となる歯形を生成することができ,真円度修整[正]とすると図C.3の非円形の歯形を出力することができる.図C.5は,歯形レンダリングであり,青色が「逆歯形」,赤色が「理論歯形」を示している.次に図C.3の(A)部分の歯形を拡大した図C.6の赤線が「逆歯形」であり黒線が「理論歯形」である.図C.6の歯先部分(B)で逆歯形と理論歯形の差は0.038mmであり歯底部分(C)の差は0.041mmである. AMTEC www.amtecinc.co.jp |
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C5. 成形2 回目の結果 図C.6の「逆歯形」で金型を製作し,射出成形した歯車の両歯面かみ合い試験結果を図C.7に示す.この結果,図C.2のゲート位置の3ヶ所のピークは滑らかになり全かみ合い誤差は73μm から42μm に低減した. C6. 成形前と成形後歯形の比較 図C.7は真円度修整前後の両歯面かみ合い試験グラフを重ね合わせたグラフであり,修整前のピーク(D~F)は修整後低減している.しかし,2回目成形グラフの(D)部のピークが下がりすぎているため図C.4の修整率は80~90%程度で良いかもしれない. |
C7. まとめ (1) 使用した金型の収縮率がPPS材料(ファイバー入り)用ではないもの使用した ため思ったほど効果は出ていないが,逆歯形法によって図C.8のD~Fのピ ークがキャンセルされ成形による歯車精度が向上することが確認された. (2) 今回は,真円度修整において24分割して本法が有効であるか否かを評価し たが分割をもっと細かくすることで更に精度が向上するものと思われる. (3) さらに,修整量を手入力するのではなく歯車試験機のデータ自動取り込みと すれば更に簡便に高精度歯車を製造できるものと考えている.
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